【セミナー開催レポート】「生成AI活用に向けた実証プロジェクト 共創ワークショップ」開催
2025年5月22日、ながおかDXセンターの令和7年度活動の一環として、長岡市役所DX推進部様、日本オラクル株式会社ソーシャルデザイン推進本部の武波様、奥田様をはじめとする皆様にご参加いただき、長岡市のAI活用事例紹介、日本オラクルからのDX・AI技術に関するインプット、そして未来を創造するワークショップを実施しました。
本ワークショップは、AIやデジタル技術がもたらす未来の可能性を学び、長岡市におけるDXや新規事業のアイデアの種を見つけることを目的として開催されました。特に、日本オラクル株式会社には、本ワークショップ全体のファシリテーターとして議論を牽引いただきました。
ワークショップの様子①:日本オラクル社武波様、奥田様によるファシリテーション

日本オラクルが語るDXとAIの最前線
日本オラクル株式会社ソーシャルデザイン推進本部の武波様、奥田様より、DXおよびAI技術に関する最新動向と活用事例についてご紹介いただきました。日本オラクルでは、単に技術を導入するだけでなく、顧客と協力してパーパスドリブンな新規事業を開発し、事業として成立し社会に浸透するところまで伴走することを重視しています。これは、概念実証(POC)で終わってしまうことが多い現状への課題意識に基づいています。
DXには、デジタイゼーション(業務効率化)、デジタライゼーション(限定的なデジタル化)、そしてDX(社会全体の変革)という段階があり、多くの企業がデジタイゼーションに留まっている現状が指摘されました。真のDXには多くの課題がありますが、早期に取り組むことで大きなメリット(企業・地域の価値向上)が得られることや、社会課題解決がそのままニーズとなり事業化しやすい点、そして日本が持つ豊富な社会課題がグローバルビジネスの機会となることなどが、DXに取り組む理由として挙げられました。
AIを含むデジタル技術の具体的な活用事例として、多岐にわたる領域の事例が紹介されました。
- ヘルスケア: 国内通信事業者と共同開発した認知症予知・検知AIテクノロジー、会話を楽しむAIによる高齢者の健康維持、デジタルスポーツを用いた認知機能測定や幸福度向上 など。
- 観光: VRを用いた刀鍛冶体験の旅前体験提供、デジタルスタンプラリーによるオーバーツーリズム分散化 など。
- 防災: 新潟県での避難所受付システムのデジタル化による行列解消 など。
- 一次産業: 北海道での除雪ルート最適化(量子コンピューター活用)、ゴミ資源回収ルート最適化 など。
また、DX推進の課題として、何から手をつけるか不明瞭であること、地方でのDX人材不足、資金調達の困難さなどが挙げられ、多くの企業が「POC疲れ」の状況にあるとのことです。生成AIの導入におけるデータ制約やプロンプト技術の習得の必要性も課題として挙げられました。最新動向としては、指示を理解して複数のAIやサービスを連携させるAIエージェントの登場が紹介されました。
未来を語り合う「未来予想像」ワークショップ
インプットセッション後には、DXや新規事業のテーマ・アイデアの種を見つけるための「未来予想像」ワークショップを実施しました。参加者は、未来に起こりそうな出来事や技術変化をポストイットに自由に書き出し、「暮らし」「働き」「遊び」「世界」の4つの分類で整理しました。さらに、実現可能性と時期で並べ替えを行いました。ワークショップでは、批判や否定をせず、制約を設けずに自由な発想を促し、他者のアイデアへの加筆や自身の体験からのアイデア出しが推奨されました。
自己紹介の時間でも、ご家族や健康に関する関心が高い方が多く見受けられましたが、ワークショップで出されたアイデアも、「暮らし」に関するものが最も多く、特に健康に関する切実な願いが多数集まりました。
ワークショップの最後に、各チームが最も「欲しい」と感じた未来のアイデアを2つ選定し、発表しました。
これらのアイデアは、参加者自身の悩みや願いに基づいたものであり、今後のDXや新規事業のテーマになりうる種として捉えられました。
ワークショップの様子②:2チームに分かれてアイディア出し

今後の展望
今回のワークショップで出されたアイデアを深掘りし、具体的な事業アイデアへと繋げていくための活動を、今後も定期的に実施していくことが検討されています。長岡市DX推進部様および日本オラクル様、そして地域の皆様との連携を通じて、DX推進および社会課題解決に向けた取り組みを進めてまいります。
本ワークショップにご参加、ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございます。
引き続き、よろしくお願いいたします。