【開催報告】AI社会実装に向けた地域共創型実証プロジェクト(成果報告会)
2026年3月3日(火)、ながおかDXセンターの「活動実績報告会」に続けて、AI実証実験の成果報告会を開催しました。後半のAI実証パートでは、成果報告+デモンストレーション(動画)の構成で、実証で得られた学びと今後の方向性を共有しました。

1.プロジェクトの目的とゴール(何のためにやったのか)
本プロジェクトは、地域の課題を生成AIで解決することを目指し、市民・企業・行政が一体となって共創型の実証を進める取り組みです。ゴールは、地域課題に即したAI活用モデルの創出と、成果を他地域・他分野にも展開できる仕組みづくりにあります。
2.進め方(ワークショップで課題→テーマ→PoCへ)
実証に向けては、プレを含むワークショップを重ね、地域・業務の困りごとを持ち寄りながらテーマを具体化しました(プレ1回+全4回)。「未来予想像」→課題抽出→アイデア具体化→テーマ深掘り・選定、という流れで、実装を前提に議論を進めています。
また、ワークショップではブレインライティング等も用い、効果・実装容易性・“長岡らしさ”を基準にテーマ選定し、最小実証版(PoC v0)に落とし込む進め方を整理しました。
3.試作した主なAIアプリ(できたもの)
今回の実証では、「学び」「体験」「生活お役立ち」「仕事効率化」の観点で、複数のプロトタイプを試作しました。
- 米百俵ラーニング(学び):文書・PDF等を取り込み、学習パックと理解度テストを自動生成(段階的に学べる設計)。
- ながおかイベント要約週報(体験):市内のイベント情報を取り込み、興味に合わせておすすめを紹介。
- 長岡市FAQ/ごみ収集QA(生活お役立ち):行政FAQの活用や、ごみ分別・収集予定の問い合わせに対応。
- 文字起こし&議事録作成(仕事効率化):音声→文字起こし→整形→要約・ToDo抽出までを一連で実施(長時間音源は10分単位に分割して処理)。
- 画像生成/動画生成(仕事効率化):イメージから画像生成、静止画に動きを与える動画生成も検証。
(補足)「ごみ分別」については、物体検出と生成AIを組み合わせ、自治体ルール(JSON)を差し替えれば他地域にも展開可能な構成も紹介しました。
4.検証で見えた“ローカルAI”の価値と限界(AIコールセンター例)
ローカルAIの試作では、セキュリティポリシー上「AIは社内(ローカル)環境で動作必須」という前提を置き、Difyを用いた試作で技術的な実現可能性を確認しました。
一方で、継続運用に向けては 回答品質のばらつき、最新データ維持、モデル更新の負担、専門保守体制などの課題が明確になり、費用対効果も含めて慎重な判断が必要である点を共有しました。
5.学び(成果は“アプリ”だけではない)
報告会では、「AIの進化は想像以上に速い」「一番の成果は“アプリ”ではなく、安全に活用するための理解と判断軸」といった学びが強調されました。ローカルAIは、制約(アップロード不可、クラウド制限等)を前提に“安心して試せる”ことで、判断力を高める実証として有効だった、という総括です。
6.今後に向けて(地域で回すための型)
今後の姿として、市民は迷わずAIで確認できる/企業は安全に業務効率化できる/行政は改善しながら良い事例を広げられるという未来イメージが示されました。
進め方は「目的を決める→作り方(情報・守り方・運用)→小さく試す(PoC)→良いものを広げる」の4ステップを基本に、ファシリテーターの役割も含めて地域連携を強化していく方針です。
